【最終更新日:2023年10月13日】

審美歯科とは

歯科では虫歯や歯周病、顎関節症から口腔粘膜疾患、口腔癌まで広範囲な疾患を対象にしていますが、治療内容としては、

  1. 歯科疾患に対する痛みの除去や口腔機能の回復
  2. 失われた歯などの機能回復
  3. 病気の発症や再発の予防
  4. 歯並びや色、形といった外観(見た目)を綺麗にする治療

があります。

その中で、審美歯科とは歯や口元の形と色が綺麗で、それらがきちんと調和して機能する状態を目指す歯科医学の分野です。
参考:
日本歯科審美学会 日本歯科審美学会教授要綱
WHAT IS COSMETIC DENTISTRY?(American Academy of Cosmetic Dentistryの患者向けサイト)

歯科審美学とは

「審」という漢字の意味は「物事を詳しく調べて明らかにする。はっきりとよしあしを見分ける」です。ですから「審美」という言葉の意味は「美を審(つまびらか)にする」ということで、「美しいとはどういうことか」を詳しく調べ、「美しいものとそうではないものを見分ける」という意味になります。

英語の「審美学 esthetics」という言葉は、古代ギリシャ語のασθητικός「知覚、感覚」に由来します。

江戸時代末〜明治の哲学者、西周はドイツ語 Ästhetik に対して「善美学」「佳趣論」「美妙学」などと訳しましたが、いずれも一般化しませんでした。その後、明治時代に森鴎外が「審美学」と訳して広まったと言われています。

「歯科審美学」とは、それぞれの歯や歯並び、口元を美しいと感じる一方、美しくないと感じるものがあるのはなぜか。美しい歯並びや口元を作る根本原則原則とはどんなものか。また、美しい顔貌が生活にどのような影響を与えるかを研究する学問です。

美容歯科と審美歯科の違い

欧米から入ってきた学問である「Aesthetic dentistry」を「審美歯科」と訳したのは、「Aesthetics」を「審美学」と訳した流れを汲むものだと思いますが、漢字の意味を考えるとこの翻訳は間違っていたと思います。その証拠に、日本における審美歯科の学会は「審美歯科学会」ではなく「歯科審美学会」と言います。また、Googleの職業分類の中にも「審美歯科医」というのはなく、「美容歯科医」で統一されています。

アメリカには The American Academy of Esthetic DentistryThe American Academy of Cosmetic Dentistry という学会があります。(A)Esthetic dentistryは理論・学問的意味合いが強く、Cosmetic dentistryは臨床的(治療的)な意味合いが強いです。

ただし、その治療内容はほとんど変わらないので、日本においては、一般的に美容歯科と審美歯科はほぼ同じものと考えていただいて良いと思います。また、表参道歯科アールズクリニックでは漢字の意味を正確に考えて「美容歯科」と称しています。

審美歯科の目指すもの

審美歯科が目標としているのは健康で美しい天然の歯、そして調和の取れた美しい顔貌です。

審美歯科の治療では、虫歯や歯周病の治療、顎の快適なかみ合わせのための治療など機能面の回復に加えて、歯並び、歯の形、歯の色などの見た目を美しくすることも目的としています。

具体的には、
① 機能回復としては

  • 虫歯や歯周病などの歯の病気の治療
  • 快適な嚙み合わせにする
  • 顎の運動や発音などの問題を解消する

② 機能回復に加えて見た目の改善として

  • 歯の色を白く綺麗にする
  • 歯並びや歯の形を整えて綺麗にする
  • 歯ぐきの色、歯ぐきの見え方を調整し笑顔を美しくする

などの治療が挙げられます。

美容歯科・審美歯科治療の種類

美容歯科・審美歯科治療には、ホワイトニングや矯正治療、セラミック治療など様々なメニューがあります。

ホワイトニングは、歯を白くすることで若々しい印象を与えますし、矯正治療は歯並びを整えることで、全体的な口元の美しさを引き出します。

また、セラミック治療では、自然な見た目の歯を作ることができ、より美しい笑顔を手に入れるためのサポートをします。

美容歯科・審美歯科は見た目だけでなく、患者様の心理的な満足感を高めるためにも大切な分野です。

美容歯科・審美歯科の治療内容の中で当院で実施している美容歯科・審美歯科治療は主に次のようなものです。

セラミックレストレーション

歯を適切な形に削り、全体的にセラミック素材のかぶせ物を装着して綺麗な色・形にする治療。歯の色に調和したセラミッククラウンやラミネートベニアを使用することで、見た目の美しさを追求することが可能です。これにより、自然な印象を残しながら歯を修復できます。

ダイレクトボンディング

口の中で樹脂を歯に接着して歯の形を回復する治療。

インプラント

人工の歯根を歯を失った部分の骨に埋め込み、その上にセラミックなどの人工歯を被せることで、自然な歯のように見える修復を実現します。この治療の最大の魅力は、見た目の美しさだけでなく、機能性にも優れている点です。インプラントは、通常の歯と同様に噛むことができるため、食事を楽しむことができるようになります。また、周囲の歯に負担をかけず、健康的な噛み合わせを保つことが可能です。

ホワイトニング

多くの方が最初に考える治療方法の一つです。特殊な薬剤を使用して歯そのものの色を白くすることで、明るい印象を与え、笑顔に自信を持つ手助けをします。

クリーニング

歯の表面に付いた汚れや色素沈着(ステイン)を専用の器械を使って取り除き綺麗な歯にする治療。
ホワイトニングとは異なり、歯そのものの色は白くはできません。

歯周外科

歯周組織(歯肉や骨)の外科手術。

歯列矯正

歯を移動させて歯ならび・かみ合わせを治す治療。

咬合再構成

審美歯科の全ての治療法を総合してかみ合わせを回復する治療。

執筆者:表参道歯科アールズクリニック 院長 田中良一
(国立)東京医科歯科大学歯学部卒業
元 山王病院 歯科医長(審美歯科・歯周補綴担当)

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表参道歯科アールズクリニック

東京都渋谷区神宮前4-2-17 青山R夏野ビル3a
表参道駅A2出口より徒歩1分

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審美歯科とは、歯や口元の ①形と色が綺麗で ②それらがきちんと調和して機能することを目指す歯科医学の分野です。(日本歯科審美学会教授要綱)審美歯科の治療では、虫歯や歯周病の治療、顎の快適なかみ合わせのための治療など、機能面の回復に加えて、歯並び、歯の形、歯の色などの見た目を美しくすることも目的としています。