院長 田中良一

東京の審美歯科、表参道歯科アールズクリニック院長写真

東京医科歯科大学(現 東京科学大学)歯学部卒業
元 山王病院歯科医長

山王病院では、審美歯科と歯周補綴を主に担当しました。その頃から25年以上にわたり、審美性が求められる職業の患者さんの審美歯科治療に携わっています。

前歯をきれいにしたいというご相談でも、顔立ちや表情の中でどのように見えるかだけでなく、歯を支える歯ぐきや骨、かみ合わせも一緒に確認します。見た目のご希望に応えながら、噛むことや話すことといった日常の働きも保つためです。

臨床の基礎となった歯冠補綴学

1990年代に出版された一冊の医学書は、その後の私の臨床を考えるうえで大きな基礎になりました。

パメヤーの歯冠補綴学:歯周組織と咬合を考慮したクラウン・ブリッジの臨床

Jan H. N. Pameijer 著/岩田健男 監訳

原題 Periodontal and occlusal factors in crown and bridge procedures

原題を日本語にすると、「かぶせ物とブリッジの処置における、歯周組織とかみ合わせの要因」という意味です。

この本を通して学んだのは、かぶせ物だけを見て治療を考えないことでした。修復する歯だけでなく、かみ合わせや歯周組織との関係まで含めて診るという考え方です。

それ以来、かみ合わせ、歯周組織、修復を切り離さず、一つの治療の中で考えることを大切にしています。

研修履歴

これまで、審美修復、歯周病、インプラントなどの分野で研修を受けてきました。(敬称略、所属は当時)

修復治療・審美修復に関する研修

G. Chiche(インディアナ大学)前歯の修復治療における審美
J. Kois(ワシントン大学)最善の修復治療を達成するためのセミナー
d. Terryナチュラル・エステティクス 、ダイレクトボンディング・ハンズオン
P. Magne(南カリフォルニア大学)ボンデッド・ポーセレン・レストレーション
N. Fahlダイレクトボンディング

歯周病・インプラントに関する研修

J. Lindhe(イエテボリ大学)歯周病学
M. Amsterdam(ペンシルバニア大学)歯周補綴セミナー
U. Lekholm &  T. Jemt(イエテボリ大学)ブローネマルクインプラント認定コース
D. Tarnow(ニューヨーク大学)歯周補綴とインプラント
S. Jovanovic(UCLA)インプラント修復セミナー
W. Becker(南カリフォルニア大学)インプラントセミナー
O. Bahat(南カリフォルニア大学)インプラントのための骨造成
P. Moy(南カリフォルニア大学)インプラントセミナー

Willi Geller と oral design

私の臨床に大きな影響を与えた一人が、ウィリー・ゲラー(Willi Geller、2024年逝去)です。

ゲラー氏はスイス・チューリッヒを拠点に活動した歯科技工士で、自身の審美補綴についての考え方に「oral design」という名を与え、陶材Creationの開発にも携わりました。

私が惹かれたのは、ゲラー氏が製作した歯の美しさだけではありません。その背景にある、修復した歯をその人の口元全体との関係から考える姿勢にも強く影響を受けました。

ゲラー氏は審美について、健康、生命力、強さ、美しさ、幸福感などを挙げ、その人との調和を重視していました。私がそこから受け取ったのは、修復物そのものを目立たせるのではなく、その人の口元の中に無理なく収まるものをつくるという考え方です。

治療後に目指す状態

前歯の修復治療では、治療した歯だけが目につかず、その方の口元の中に自然に収まることを目指しています。

そのため、色や形だけを整えて治療を終えるとは考えていません。周囲の天然歯や歯ぐき、唇、顔立ちとの関係を確かめながら、噛むことや話すことにも支障がない状態を目指します。

もう一つ大切にしているのは、治療後の口元をご本人がどのように受け止めるかです。歯科医師が自然だと考える状態と、ご本人が自分の口元として感じられる状態は、必ずしも同じではありません。

患者さんご自身が、治療後の口元を自分のものとして受け止められることを大切にしています。

初診のご相談から修復治療、治療後のメインテナンスまで、私が継続して担当します。初めにどのような口元を望まれていたのか、治療で何を変え、何を残したのかを踏まえながら、その後の歯や歯ぐき、かみ合わせの状態を見ていきます。
治療をしたからといって、その歯に将来まったく問題が起こらないと約束することはできません。その時点で必要な治療を行い、治療後も経過を確認していくことが、私の役割だと考えています。

治療した歯が日常生活の中になじみ、患者さんが歯を必要以上に意識せずに過ごせること。それを、修復治療で目指す状態の一つと考えています。