当院の治療費は、咬合・歯周・審美修復を統合的に実践する臨床手法、および歯科医療が本質的に持つSur-Mesure(フランス語で「特注」)の性質から設定しています。
治療費の構成と意義
治療費用は、規格品の組み立てではなく、生体適合と長期安定性を目指す臨床プロセスに対する費用です。治療費が反映しているのは、以下の4つの要素です。
咬合・歯周の医学的価値
動的咬合の再構築、歯周組織の精密な評価、10年~30年の長期予後を目指した治療に対する費用です。
世界水準のセラミストによる芸術的価値
ヨーロッパに源流を持つセラミストとの連携のもと、手作業で構築される補綴物の製作工程に対する費用です。
診療システムの費用
1日最大4名・完全貸切・院長による全施術担当・1人あたり2~4時間の診療時間という、精度の高い成功を優先する体制に対する費用です。
長期的価値の費用
治療後の継続的な管理を含む、生涯にわたる口腔健康の基盤構築に対する費用です。
これらは「特別感のあるサービス」ではなく、本来の歯科医療の標準を妥協なく実践するための費用です。
難症例におけるSur-Mesure調整の境界線
歯科医療は本質的にSur-Mesureの構造を持ちます。症例の難易度によって、治療時間・治療ステップは異なります。
難症例とは、以下の条件に該当するケースを指します。
- 咬合再構成に長期の検証を要する場合
- 歯周組織の再生・環境整備に外科的介入を伴う場合
- セラミストとの協調・形態修正が標準工程を超える場合
- 広範囲な補綴再構築により、治療期間が1年以上に及ぶ場合
これらの症例では、基本価格に追加調整が行われることがあります。これは価格の引き上げではなく、治療ステップの複雑さと工程の増加を反映したSur-Mesure構造の適用です。
調整の有無・根拠・金額は、精密検査後の治療計画説明時点で明示いたします。また、事前の同意なく変更することはありません。
各費用の包含範囲と臨床的意味
初診( 治療適応診査 )
口腔内の全体像を分析し、当院の治療が適応するかを判断します。
- お話の聞き取り(主訴・経緯・治療歴など)
- 口腔内視診
- 歯周精密検査
- 顎関節・咀嚼筋の触診
- 咬み合わせの確認
- パノラマレントゲン撮影
- 口腔内・顔貌の写真撮影
所要時間:60分 / 11,000円(税込)
精密検査・総合診断 ・治療計画説明
噛み合わせの記録や顔貌とのバランスを精査します。
- 顔貌精密評価
- 頭部X線規格写真撮影
- 歯型(スタディモデル)の印象採得
- 咬合の採得
- フェイスボウ・トランスファーなど
検査結果をもとに、口元全体の調和を考えた治療計画をご提案します。素材の選択、セラミストとの連携、治療期間と費用についてお話しします。すべてにご納得いただいてから治療を始めます。
口腔内環境の整備
治療結果を長期的に安定させるには、歯周組織や骨、歯の位置が適切であることが必要です。
複雑に崩壊した口腔内を再構築するには、補綴だけで対応できない場合があります。当院では診断・治療計画で選択肢を整理し、必要に応じてインプラントや部分矯正を組み合わせます。
インプラント外科は、日本歯科大学インプラント科と連携し、日本のインプラント界を牽引してきた第一人者である元日本歯科大学インプラント科教授を招聘して外科的アプローチを担当します。
費用は、治療計画に応じて別途ご案内いたします。
ポーセレンクラウン(前歯・小臼歯)
世界でも限られたセラミストが、陶材を一層ずつ手で築盛して仕上げます(多色築成)。天然歯の色調・透明感・テクスチャーを再現し、見分けがつかない仕上がりを目指します。
以下のすべてを含みます:支台歯形成/印象・咬合採得/接着手技/院長製作の仮歯/セラミスト製作のプロビジョナルレストレーション(精密仮歯)/セラミスト製作のポーセレンクラウン
¥550,000(税込)
活歯の接着支台築造は別途 ¥33,000(税込)
フルカントゥアジルコニアクラウン(主に大臼歯・小臼歯)
臼歯には、噛む力への耐久性と長期的な安定性に優れたフルカントゥアジルコニアを使用します。強度を最優先とした素材選択です。
以下のすべてを含みます:支台歯形成/印象・咬合採得/接着手技/院長製作の仮歯/セラミスト製作のフルカントゥアジルコニアクラウン
¥330,000(税込)
※ 失活歯の接着支台築造は別途 ¥33,000(税込)
ダイレクトボンディング
コンポジットレジンを用い、直接歯に築盛した修復(ダイレクトボンディング・ダイレクトベニア)
¥110,000(税込)
長期観察とメインテナンス
治療は、修復物の装着をもって完結するものではありません。10年〜30年の長期予後は、構造的なメインテナンスによって維持されます。
当院では、治療終了後に継続的な咬合管理・歯周評価をプログラムとして提示しています。
頻度:3ヶ月間隔(口腔内の状態に応じて個別設定)
項目:咬合動態評価・歯周組織検査・補綴物適合確認・専門的クリーニング・必要に応じた微調整
臨床的意義:単発的な処置ではなく、治療設計の長期安定性を検証し、生体変化に早期に対応するためのプログラムです。
このプログラムは、患者さんご自身が長期視野に基づいて選択する継続関係です。生涯にわたる口腔健康の基盤を、臨床的に支援する仕組みとして位置づけています。

