口腔全体の再構築が必要な症例における治療の全体像です。

すべての症例でこの全てのステップをすべて行うわけではありません。1〜2本のクラウン治療で済む場合は、初診時の治療適応診査と該当するステップのみで完結します。

しかし、長年の治療の積み重ねにより咬合全体が崩壊している症例、重度の歯周病を伴う症例、複数の歯を失っている症例では、より複雑な治療が必要になります。

どのタイミングで何を行うか、以下の治療ロードマップに沿って治療を進めます。

歯周組織の炎症をなくす(歯周初期治療)

すべての治療の土台となる段階です。歯肉や歯周組織に炎症がある状態では、精密な処置を行っても長期的に安定しません。

歯石の除去、ブラッシングの見直し、炎症の消退を確認してから次に進みます。

戦略的抜歯

残す見込みのない歯を、治療計画の一部として早期に抜歯します。

無理に残すことで周囲の歯に悪影響を及ぼす場合、全体の再構築のためにあえて抜歯を選ぶ場合があります。

感染歯質除去、暫間修復

虫歯などで感染した歯質を取り除き、一時的な修復を行います。

最終的な修復までの期間、機能を維持するための処置です。

おおまかな仮歯

治療期間中の見た目と機能を確保するための仮歯を装着します。

この段階の仮歯では、まだ精密な調整は行いません。

根管治療

神経を取り除く必要がある歯や、すでに根管治療がなされて入るものの再根管治療が必要な歯に対して、根管内を清掃・消毒し、緊密に封鎖します。ここでの精度が、歯の長期予後を左右します。

おおまかに噛み合わせを治す

仮歯の段階で、全体の噛み合わせを大枠で調整します。

矯正

歯の位置そのものを動かす必要がある場合、この段階で行います。

被せものだけでは対応できない位置のずれを、歯自体を動かすことで解決します。

精密に噛み合わせを治す

噛み合わせを10ミクロン単位で精密に調整します。

顎関節との関係、咀嚼時の動き、長期的な安定性を踏まえた最終的な咬合を目的とします。

外科処置が必要かどうかの評価

ここまでの処置の結果を評価し、歯周外科手術が必要かを再評価します。

計画時に予測した内容を、実際の経過に基づいて確定させます。

歯周外科

歯周組織の改善が必要な場合に行います。

歯肉や骨の形態を整える、骨の再生を促すなど、最終修復の土台を整えるための外科処置です。

外科処置の評価

歯周外科後の治癒を確認し、次のステップに進めるかを判断します。

インプラント

歯を失った部位にインプラントを埋入します。

当院では、元日本歯科大学インプラント科教授を招聘し、外科的アプローチを担当します。

最終プロビジョナルレストレーション

セラミストが製作する精密仮歯です。

最終クラウンに近似した形態で製作し、会話、食事、表情での見え方、などを確認し、必要な調整を行った上で最終クラウンに進みます。

最終修復

最終的なクラウンを装着します。セラミストが一本ずつ手作業で最終形に仕上げます。

メインテナンス

治療完了後、定期的な管理を行います。

長期的に安定させるための最後のステップであり、治療と同じく院長が継続して担当します。

治療期間について

全れのステップが必要な症例の治療期間は、数年に及びます。各ステップ間には組織の治癒や安定のための期間が必要であり、短縮することはできません。

精密検査後の治療計画説明で、予想される期間をお伝えします。